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他店で断られたルイ・ヴィトンの純正ホックを、私たちは純正ホックで修理可能!

ルイ・ヴィトン エピ財布 リペア後

その方は、モノグラム・スピーディ30を両手でそっと抱えるようにして来店されました。「3軒、断られてしまって」と、少し消え入りそうな声で仰いました。バッグのフラップを留めるターンロック式のホック——その受け側のオスパーツが根元から脱落してしまったのです。長年の使用で金具の台座部分が疲弊し、外れるときに周囲の革も少し裂けていました。

断られた理由は、おそらく全て同じです。「純正の部品が手に入らないから」です。

なぜ多くの店が純正部品での修理を断るのか

ラグジュアリーブランドのハードウェア——ロゴ入りの金具、特定の形状のリング、ブランド刻印のあるジッパープル——は、一般の資材市場には流通していません。ルイ・ヴィトンに限らず、シャネル、グッチ、セリーヌ、エルメスも同様です。代替品として使われる汎用ホックは、形状こそ似ているものの、重さが違う、仕上げの色味が違う、刻印のフォントが違う。細かい差異が積み重なって、「修理したのに、なぜか純正ではない雰囲気が漂う」という残念な結果を生みます。

本物の職人は、そのような妥協を良しとしません。だから「断る」という選択をします。それは誠実な判断です。しかし、だからといってお客様が困ってしまっては意味がない。私たちは、別の答えを探すことにしました。

純正部品の調達ルート——私たちが歩んできた道

創業から数年をかけて、私たちは認定修理施設との直接ネットワークを構築してきました。国内外のブランド正規修理工房や、長年ブランドと取引してきた部品商との信頼関係の中で、正規の交換部品を入手できる経路を確立しています。ルイ・ヴィトンのターンロック金具、シャネルのチェーンのコマ、グッチのダブルGバックル——これらを純正品で交換できるのは、この積み重ねてきたネットワークあってのことです。

ただし、これは「在庫を大量に持っている」という意味ではありません。一つひとつの修理に際して、対象バッグの年代・シリーズを確認し、正確な部品番号を特定し、適合する純正部品を調達します。お預かりから部品入手まで数週間かかることもありますが、それが誠実な修理の在り方だと信じています。

単なる部品交換ではない——革台座の再建という難題

ルイ・ヴィトン エピ財布 ビフォー

スピーディ30のケースでは、純正ホックの入手だけでは解決しませんでした。ホックが脱落した際に、周囲の革が裂けていたからです。単に新しいホックを同じ位置に打ち込めば、すでに傷んだ革に再びダメージが集中し、すぐに同じことが起きてしまいます。

そこで私たちが行ったのは、革台座の完全再建です。まず、傷んだ革の裏側に国産の厚口ヌメ革をあて布として貼り合わせ、強度を回復させます。次に、その補強革も含めた全層を、ホックの打ち込みに最適な厚みに整えます。そして周囲を手縫いのサドルステッチで縫い合わせ、台座全体を固定した上で、最後に純正ホックを正確なトルクでカシメます。

カシメのトルクは重要です。強すぎると革が裂ける。弱すぎると再びホックが緩む。ちょうどよい圧力は、経験と道具の精度によってしか実現できません。

仕上がりをご覧になったお客様は、どこを修理したのか分からないとおっしゃいました。「これが目標です」と私たちは答えました。修理の痕跡が残らないこと——それが、純正部品と本物の技術が揃ったときに初めて実現できる「正しい修理」です。

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